産前産後ケアを変革!VRプログラム「NurtureVR」
バーチャルリアリティは、世界中の医療を変革する原動力の一つであると言えます。
今回ご紹介するのは、医療分野でのVRの活用事例です。
産前・産後の女性のサポートのために開発されたVRプログラム

妊婦のために開発されたVRプログラム「NurtureVR」は、母親の産前・産後のケアを没入型パーソナライズ体験として提供するものです。
このVRプログラムは、BehaVRとHoag Memorial Hospital Presbyterianとの共同で開発されました。妊婦のケアとVR開発の経験を組み合わせて、妊娠中の女性や新しい母親が自宅で使用できる独自のプログラムを作成したといいます。
NurtureVRは、第3期妊娠と出産後8週間における以下のような問題に取り組んでいます。
・痛みの管理
・母親と赤ちゃんの絆
・ストレスへの対処
・ホルモンや感情の変化の克服
チームメンバーの1人、ホアッグ女性健康研究所のアリーソンブルックス医学博士は、NurtureVRの開発経緯について次のように述べています。
「この女性のためのプログラムは女性によって開発されました。それは妊娠中、または産後の女性の経験に基づき、多様なニーズを満たすものになっています。」
バーチャルリアリティは、患者サポートや疼痛管理に実績のある媒体であり、現在、様々な医療サービスで使用されています。
「NurtureVRは、女性が出産した後の8週間の期間である 「第4妊娠期」を通して、それ以降のケアも行っていきます。」とHoagの脳神経外科のチーフ、ロバート・ルイス医学博士は述べています。「私たちは、女性がVRを通した母性経験がストレス管理へ活用できるようになると信じています」
ユーザーごとにカスタマイズ可能なVRプログラム
NurtureVRは、各女性のライフスタイルと人口統計学的な詳細に適応します。そのため、各妊婦さんは以下のようにVRプログラムを設定することができるとのことです。
・体験したい環境、音、映像。
・自分の肌の色。
・赤ちゃんの3D超音波画像
・その他ユーザーから収集した入力項目。
このように高度にパーソナライズされた体験を実現するために、NurtureVRではBehaVRが開発した「Dynamic Experience Engine」を使用しています。このエンジンは、ユーザーの生体情報を収集し、データ駆動型のアルゴリズムを使用して、疼痛管理、中毒回復、ストレス管理のヘルスケアプログラムに登録された患者のためのオーダーメイドの体験を作成しています。
NurtureVRは、14週の妊婦さんに同行するためのプログラムです。このうち、8週間分のプログラムは出産後の期間に特化しており、自宅のような安全な場所で、女性がリラックスして、これから始まる人生の変化を受け入れることができる身近な存在になるように設計したといいます。
現時点では、NurtureVRはパイロット段階にあり、第3妊娠期と出産後早期の女性グループに提供されているとのことです。しかし、開発チームは、この革新的なVRプログラムがこの秋には医療従事者に広く提供されることを保証しています。
妊婦や産後の女性の身体的・精神的支えとなるVRツール
出産やその後の育児は、女性にとって多くのサポートやケアが必要です。14週にわたるプログラムは、出産を経験する女性にとって、大きな助けになるでしょう。またこのプログラムは、妊婦を支える父親にも正確な知識を与えてくれるツールになるかもしれません。
今回は、医療現場で活用されるVRツールをご紹介しました。VRは動きが大きく、カスタマイズの自由度も高いため、様々な業界で有効なツールとして活用することができます。抱えている課題が、もしかしたらVRで解決できることもあるかもしれません。弊社では、課題解決に向けたVR開発を行っております。VR利用をお考えの方は是非お気軽にお問い合わせください。
参照元:NurtureVR: The VR Program That Promises to Transform Prenatal and Postnatal Care
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